テーマ:運動部活動の地域移⾏に関する現状と課題
概要
今年度4月から、公立中学校における休日の運動部活動の段階的な地域移行が始まった。運動部活動は、学校教育の一環として、教育課程との関連を図りながら指導や運営が行われ、わが国のスポーツ文化の根幹を形成してきた。世界に例を見ない学校を主体としたスポーツ教育システムの運動部活動が、少子化の進行や教員の働き方改革の流れを受け、地域スポーツクラブ活動へ移行するという大きな変革期を迎えている。
その要因としては、少子化の影響により、中学校では1つの運動部当たりの所属生徒数が減少し、十分な練習や学校単位での大会出場ができないこと、また、中学校教員の半数近くが顧問をしている部活動のスポーツ経験がなく、指導力不足に悩んでいること、さらに、部活動指導が教員の勤務時間を押し上げ、休日の指導も大きな負担となっている実情がある。
一方で、今後、運動部活動の地域移行を進めるためには、地域での受け皿となる運営団体、指導者の人材確保、活動施設、クラブ会費、事故対応、大会の在り方などの課題について、行政、スポーツ関係団体、学校運動部活動に携わる社会人指導者が一体となり、地域の状況に応じて検討を重ねながら解決していかなければならない。
本シンポジウムでは、運動部活動の地域移行について、国の考え方をはじめ、地域での取組状況、指導現場が抱える課題などの現状を把握するとともに、今後、大学や学生たちが果たす役割などを検討する。
登壇者紹介
・登壇者 長登 健 教授
・所属 順天堂大学
・学位 修士(スポーツ健康科学)
・経歴 2011 年 文部科学省スポーツ·青少年局参事官(体育·青少年スポーツ担当)
2013 年 順天堂大学スポーツ健康科学部教授
・社会における活動等
東京都中央区教科書審議会委員長(2018 年~2020 年)
(公財)日本パラスポーツ協会評議員選定委員会委員(2020 年~)
千葉県教育委員会不祥事防止対策有識者会議副座長(2021 年~)
・論文/著書等
長登 健·渡邉貴裕(2023)教員養成課程におけるインクルーシブ体育実践に係る学習評価に関する検討. 順天堂スポーツ健康科学研究,14(1).
長登 健ほか(2019)保健体育教員養成課程における学修成果の検討.順天堂スポーツ健康科学究,10(1).
山田 稔·長登 健(2017)運動部活動の充実に向けて校長が重要視している取組の探索.順天堂ポーツ健康科学研究,8(2).
長登 健·野川春夫(2014)日本の生涯スポーツ政策における地域スポーツクラブ育成の変遷.生涯スポーツ学研究,10(1・2
・登壇者 橋 田 裕 課長
・所属 スポーツ庁地域スポ―ツ課長
・学位 修士(教育学)(京都大学)
・経歴 平成12年 文部省(当時)に入省。
教育委員会、海外子女教育、文化財保護、国立大学法人等の担当を経て、平成21年から秋田県教育委員会にて、保健体育課長、義務教育課長として勤務。
平成24年から文部科学省にて教育課程、大学入試、障害者学習支援の担当後、東京オリンピック·パラリンピック、教育再生実行会議、幼児教育の担当を経て、令和4年4月より現職。
・論文/著書等
友添秀則編著「運動部活動から地域スポーツクラブ活動へ : 新しいブカツのビジョンとミッション」大修館書店、分担執筆(第2章第1節 地域スポーツクラブ活動の運営団体·実施主体)(2023)
「体育科教育2023年11月号」大修館書店、分担執筆(Part1 誌上シンポジウム 域移行の現在地 【報告③】国·自治体の取組状況)(2023)
「必携教職六法 2024年度版」協同出版、分担執筆(「スポーツ振興とスポーツ振興くじ」「スポーツ行政」)(2023)
・登壇者 内田 匡輔 教授
・所属 東海大学体育学部体育学科
・学位 修士(体育学)(筑波大学)
・経歴 1996年 筑波大学附属聴覚特別支援学校 教諭
2000年 筑波大学附属中学校 教諭
2005年 東海大学体育学部体育学科 講師
2012年 〃 准教授
2017年 〃 教授
日本アダプテッド·スポーツ学会 理事
2022年 運動部活動の地域移行に関する検討会議 座長代理
·社会における活動等
全国障がい者スポーツ大会大会委員(2015年~2019年)
日本知的障がい者スポーツ協会 理事(2017年~2019年)
学習指導要領等の改善に係る検討に必要な専門的作業協力者(2016年~2019年)
神奈川県ボッチャ協会理事(2018年~ 現在)
·論文/著書等
パラリンピック後の障害児体育(臨床発達心理実践研究 第15巻25−31p)2020年
特別支援教育時代の体育·スポーツ 80 (2016年 大修館書店)
これからのインクルーシブ体育·スポーツ (2017年 ぎょうせい)
新学習指導要領の展開 (2017年 明治図書)
教養としてのアダプテッド体育·スポーツ (2018年 大修館書店)
・登壇者 影山 雅永 ユース育成ダイレクター
・所属 公益財団法人日本サッカー協会
・最終学歴 筑波大学大学院体育研究科
・競技歴 1986年~1990年 筑波大学
1990年~1992年 (株)古河電気工業入社(日本サッカーリーグ)
1992年~1994年 JEF UNITED市原(現JEF UNITED千葉)
1995年 浦和REDS
1996年 ブランメル仙台(現ベガルタ仙台)
・資格 イングランドサッカー協会(FA)公認プレリミナリーコーチ資格(1997取得)
ドイツサッカー協会(DFB)公認B級コーチ資格(2000取得)
日本サッカー協会(JFA)公認A級コーチ資格(2003取得)
アジアサッカー連盟(AFC)公認プロフェッショナルディプロマコーチライセンス(2005取得)
・指導歴 1998年 日本代表フランスW杯テクニカルスタッフ
1998年~2000年 1FCケルンB-Jugendにてコーチ
U-19日本代表アジア予選テクニカルスタッフ
2001年~2005年 サンフレッチェ広島トップチームコーチ
2006年~2007年 マカオ代表チーム監督兼テクニカルダイレクター
2008年 シンガポールU-16代表チーム監督
2009年 ファジアーノ岡山ヘッドコーチ
2010年~2014年 ファジアーノ岡山監督
2015年~ JFAナショナルトレセンコーチ
2017年~ U20日本代表監督
2019年~ U20日本代表監督 二期目
2021年~ 技術委員会メンバー、ユース育成ダイレクター
・登壇者 森 嘉長 教育長
・学位 学士(英米文化)(愛知県立大学)
・経歴 岐阜県高山市立松倉中学校長(2011-2012)
岐阜県教育委員会教職員課教育主管(2014-2015)
岐阜県教育委員会岐阜教育事務所長(2016-2017)
・指導歴(中学校における部活動指導歴)
野球(1983-1992)
水泳(1993-1995)
合唱(1999)
バスケットボール(2000)
・論文/著書
「教員の勤務負担軽減のための取組」岐阜大学教師教育研究(2015.11)
「新しい時代を生き抜く生徒の育成 ―学校と社会をつなぐカリキュラムの設計」(共著)岐阜
大学教育学部附属中学校研究紀要(2018.6)
資料
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